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ノリノリ狂言生活

◎  キセキの狂言体験 


先日、S市の小学校から大きな封書が届いた。送り主はその学校の校長先生からだった。きっと学校で行なった狂言ワークショップの感想文だろうと僕は思った。

封書には校長先生から直筆のお手紙3枚が入っていたので、ゆっくりと読んで僕はとても嬉しくなった。感動した。いままでワークショップを続けてきた答えがここにあったからだ。


校長先生の手紙には、狂言ワークショップの感謝が書かれてある他に、ワークショップ実施後にクラスで「柿山伏コンテスト」を行い大いに盛り上がった様子が書かれていた。全員がセリフをきっちり覚え、扇を使って演技をし、大人しい子が思いがけず頑張って声を上げるほど大熱演だったそうだ。その様子をA4用紙に写真を貼り付けて送って下さった。確かに子ども達は葛桶に見立てた台に乗りながら演じ、少し恥ずかしそうに、でも口を大きく開けて笑顔でセリフを言っているのがよくわかる。時間が過ぎても、あの体験が子ども達に根付いているのがとても嬉しい。


そしてもう1つは、参加してくれた6年生の女の子が、卒業記念文集に「キセキの狂言体験」という題名で原稿を書いてくれたというのだ。多くの子が陸上大会や修学旅行を取り上げる中で、私達の事を書いてくれたのはとてもとても感慨深い。
校長先生は彼女に許可を得て、その原稿をコピーして送ってくださった。


彼女の原稿には、貴重な体験をする事ができた喜びと、心に残った事が3つ書いてあった。1つめはレクチャーで、教科書では分からなかった事が知れたこと。2つめは体験で、滅多にできる事ではない狂言の体験が出来たこと。「キセキといっていいほどめずらしい狂言体験」と書いてあった。3つめは、感情表現の動きを教えてもらえた事。腹から声をあげること。

最後に彼女は、狂言は「伝統と努力」でできている事を実感し、この事を自分も同じように将来の夢に活かしたいと結んでいた。


僕はいつも「何か」を伝えたい、「何か」を感じて欲しいという気持ちでワークショップに臨んでいる。「何か」とは何でもよいのだ。子ども達の生きるヒントになればいい。今ではない将来の「いつか」で構わない。なにかの折に思い出してくれればいい。狂言のワークショップを本格的に取り組んで6年ほど経つが、こういう形で残してくれたことはとても嬉しく、今まで取り組んできた事が実ったようで大変嬉しかった。


今後もさらに進化したワークショップを展開できるように努めていきたいと思うとともに、より多くの子ども達のために、「文化」という自分が自分らしくいられる場を提供していきたいと、強く思った。

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