ノリノリ狂言生活

◎  いつかの『巴』 


先日、国立能楽堂主催の「若手能」で能『巴』にアイ狂言として出演しました。
シテは、いつも仲良くさせていただいている観世流の佐久間二郎師。フェイスブックを拝見すると、18年前に初めてシテをされた思い出深い演目だそうです。
実は僕もこの『巴』には思い出があり、初めてアイ狂言の居語りをさせてもらった演目です。2000年の金春流「円満井会」の事でした。18歳。そう。会は違えど同じ18年前に同じ演目で初役だったんだなーと、しみじみしちゃいます。
それ以前に、アイ狂言は立喋り(と言っても鶴亀くらい)や『鞍馬天狗』の下っ端の天狗役くらいでしたが、居語りともなると格も上がり、緊張感というよりも圧倒的孤独感に潰されそうだったのを記憶しています。
稽古では、とにかく何が起きても間違えないように、セリフをテレビを見ながら言ってみたり、布団を被って枕に口を当てて大声で言ってみたり、早口で言ってみたり、遅口で言ってみたり、ありとあらゆる状況で稽古していました。
あれから、何度も機会を頂いて演じている『巴』のアイ狂言ですが、思い入れがあるとともに、語りの構成も実に喋りやすく、好きな演目のひとつです。
アイ狂言の役目は色々ありますが、個人的には無くてはならない存在だと思います。シテは異世界の人。アイ狂言は現実の人。お客さんを幽玄の世界から現実の世界に戻す役割でもあります。また後半へ曲調を繋げる役だったり。
何よりも物語の立ち位置としては、「地元の人」が語り部的存在として登場し物語を語るわけですから、それは脇方演ずる旅僧も納得しますね。実際、日本各地の伝説で、地元の人が詳しく語ってくれると信憑性が増しますもんね。
そんな立ち位置でアイ狂言は存在するのだと思います。
勇ましく闘う巴御前と、最愛の夫である義仲に別れを告げる哀しい姿の巴御前。両方を描くことができたら上出来ですね♪
久しぶりに演じると、慣れたもんだから口が早くなって息継ぎが出来ない時があって、そういう時は地上にもかかわらず、溺れてしまいます。今回はペースを守りながら強弱つけられた納得のいく語りだったと思います。
アイ語り楽しいです😁

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